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日々の事
by de_hond
1984


現在日本語で「1984」著者:ジョージ・オーウェル、という本を読んでいる。ちょうど真ん中あたりまできた。しまった事に、この本を読み終わる前に、この本を原作とした映画を見てしまった。イメージ、特に映像とは本当に強いもので、いっきに自身で創り上げていたお話の中の世界観が、この映画によって染められてしまった。一度染められると、抜け出すのは中々難しいというか無理だ。主人公の顔や住んでいる部屋、このお話独自のテレスクリーンという人々を監視するマシーンのビジュアルが、ほぼ完璧に頭の中にイメージとして植え付けられてしまった。これは本を読むわくわくかんを半減以上減らすので、これから興味がわいて「1984」を知りたいと思う人は、本を先に読み終えてから映画をみることをお勧めする。

なぜ、この本を日本から取り寄せて読んでいるかというと、学校の課題だからという単純な理由。そして、毎週火曜の授業でこのお話について皆で討論するのだ。先週時間を間違えて、ミスってしまった私は、明日が初めての参加になるので、ここに思ったことをツラツラ書く。

*ねたばれあり

まずあらすじ。
時は1984年、世界は三つの地域(国)に分散され存在する。その中の一つの地域の世界のお話。主人公ウィンストンは、その自分の住む世界の状況に、疑問をいだきつつ生きている。しかし、そんな事一言でも口にしたら、というか顔にでも出したら、思想警察に捕まってしまうので、周りの人と同じように生きている。テレスクリーンから常にビックブラザーがみつめている。国にとってマイナスな歴史、出来事はすべてぬりかえられ、2+2=4と知っていても、答えが5にだってなることを認識しなければならない。

戦争は平和である。
自由は屈従である。
無知は力である。

この三つがスローガンであり、よって国は常に残りの2つの地域と戦争状態にある。そして、文学や日記をつける自由もなく、新語法といったシステムで、言葉を出来る限りシンプル使用させるために辞書をつくり、多様な表現・思想は犯罪となる。
それとは裏腹に、人間の欲望=人間らしさが残るウィンストンは秘密で日記をつけたり、さらには愛人までつくる。しかし、それが発端となり思想警察に捕まり、厳しい拷問をうける。思想警察は、思想犯を決して殺したりはしない。殺す前に、まず犯人の考え方を洗脳し、自分たちと同じにするまでは、拷問:マインドコントロールをつづける。それにより、全ての犯罪者は、国の考えに従い死んだ事になり、後に彼らの反逆の勇士をあこがれる者をでてこなくする。映画の最後にはウィンストンもその愛人で思想犯でもあるジュリア共々、完全にプロパガンダの世の中に溶け込み、真の自分自身をなくしてしまう。しかし最後にウィンストンが「I love you」というのは、ビッグブラザーに対してなのか、ジュリアに対してなのか、映画をみている人自身の思想で考えてねという感じで終わる。

映画をみていて思ったこと:
ソ連、北朝鮮、昔の日本、ヒットラー、象徴物のパワーと恐ろしさ、メディア、テロリスト、ブッシュ、小泉、中国、北朝鮮、金正日、オウム真理教、アート

感想ツラツラ:
私はよく洗脳されるタイプの人間だと自分の事を思う。相手がすごいパワーと説得力のある偏った意見を強く私に語ってきたら、よっぽど自分が捕われている考えている題材でなければ、その人の意見が頭を埋め尽くすであろう。
人間が社会を作ったのに、人間は社会の中で生かされている。そしてどこかの人間が社会をさらに作って行く。人間に生まれた限り、社会と関係せず生きて行くのは不可能なことなのだろう。
この映画のような世界に住みたくない、と思った理由は人間の欲求が満たされず、思想の自由が無い事が大きな理由であろう。思想どころか、行動もほぼすべて規制されているので、生きているという事実は無いに等しい。
現在でも中国では、インターネットの抑制があるし、日本でも学校のなどのルールはまるでプロパガンダに近い物が多々ある気がする。それに比べ、私の住むオランダを中心にここらのヨーロッパの情報は溢れかえり、ある意味危険である。この映画で文学や色んな思想を抑制させられるのには、それ自体にとても強い力があるからこそであり、私がアーティストとして一見、無意味無力にみえる私の行動にもパワーが潜んでいる希望を感じた。

戦争は平和である。という言葉に私は反対しないかもしれない。平和とは何か。戦争がないこと?なにごともなく、平穏なこと?戦争がこの世になかったら、平和という意識はうまれない。戦争あってこその平和なのである。そんなんだったら平和なんていらない。
平和=おだやか=のどか=気にかけないさま、のんき
平和=おだやか=穏当=すなおでおとなしいさま

前の日記で名前のことを書いたが、まさに名前はシンボルで格好を良くみせる。
ヒットラーも卍というロゴマークを作り、ポーズを決め、すべてを象徴的にし、一目をひいた。毎日見る、アイドルや芸能人に親近感がわく。スーパーで見かける有名ブランドの食べ物には自然と信頼性がある。

政治とかプロパガンダとか難しいと思っていたが、根本は単純なことなのかもしれない。
by de_hond | 2008-11-25 11:01 | 映画
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